治験に関連する病院や治験の参加情報などをまとめています

豆知識の一覧

治験に関する注意点

治験を受ける際には、いくつか注意点があります。注意点を正しく知っておくことで、新しい薬の開発に寄与できるチャンスがより膨らみます。

国籍について

日本国内で行われている治験は、原則として日本国籍を取得している人を対象としておりますので、日本に滞在している外国の方が日本国内の治験に参加しようと思っても、それはできません。

また、日本国籍を取得している方でも、ハーフやクオーターの方が日本国内で実施されている治験に参加することはできません。これは、日本国内で薬を使えるようにするためには、日本人に対するデータが必要だからです。白色人種や黒色人種は日本人とは遺伝子配列が異なるため、正しいデータが取れないからです。

これは、日本人が海外の治験を受ける際にもほぼ同じです。ただし、日本国内の治験でも、外国人を対象にしたものがまれにありますので、探してみるのもいいでしょう。

施設の移籍について

日程などの条件が良い治験があれば、施設を問わずに参加してみたいと思うのが身上ですが、治験に関してはそこにも制限がかかってきます。治験の参加者は、治験を実施する施設で登録をしなければなりませんが、1人が同時に登録できる施設は1か所だけです。

以前Aという施設で治験を受けた人が、今度はBという施設で治験を受けようとしても、Aに登録されているためにBの治験に参加することはできません。この際、AからBへ登録を移籍させるための作業が必要となりますが、これは治験の重複登録を避けるための措置です。

施設によっては、一度退会した人が再登録するのを認めていないところもありますので、施設を選ぶ際にはその点を考慮して選ぶといいでしょう。

女性の治験について

実は、治験で圧倒的に多いのが男性を対象とした治験です。女性を対象にした治験はほとんどないといってもいいでしょう。これは、女性は赤ちゃんを産む機能が備わっており、被験薬を投与して赤ちゃんに万が一の悪影響が出るのを避けるための措置です。

女性が治験を受けられるとしても、そのほとんどが赤ちゃんを産む可能性のない閉経後の女性を対象にしたものです。そうでない女性を対象にした治験となりますと、入院を伴うものはほぼ皆無で、通院して行う健康食品、コスメなどの治験といったところでしょう。

しかし、月経が困難な方を対象とした薬の治験の場合、もちろん対象者は月経のある女性となりますので、可能性はゼロというわけではありません。

入院中の暇つぶしの娯楽について

治験の入院中、被験者がよりストレスなく試験を受けられるかを大きく左右するのが、医療機関の設備です。ストレスがかからなければ、その分血液中の数値も改善されることが期待されますので。では、治験の医療機関にはどのような暇つぶしの設備があるのでしょうか。

インターネット関連

まずはインターネット関連を見ていきましょう。最近ではパソコンを完備している病院も増えてきました。基本的に誰でも使用できますが、就寝時間から起床時間までの間は使用できません。また、目に関する治験を行なう場合、目の酷使を避けるためにインターネット関連の設備は使えません。

自分が持ち込んだパソコンやスマートフォンでインターネットを楽しむ人も増えており、そういった人向けに最近では無線LANの整備にも力を入れています。被験者はパスワードを教えられて、そのパスワードを入力すると無線LAN経由でインターネットを楽しめるようになっています。

漫画

治験の中で最も苦しい時間が投薬日です。寝てはいけないし自由に出歩けないし、とにかく行動が制限されてしまいます。ベッドではインターネットが禁止されているところもあり、そういった場合には漫画が重宝されます。雑誌も置いてあるのですが、採血直後は注射の痕を押さえていなければなりませんので、自由になる片手だけで見られるコミックの漫画は重宝します。

ただし、インターネット関連と同様に、目に関する治験を行なう際には漫画も禁止ですので注意してください。

ゲーム類

ゲームといって真っ先に思い浮かぶのがテレビゲームです。テレビにつないで楽しむようになってはいますが、これも目の試験を行なう際には使用できません。目を酷使する可能性が高い娯楽は、とことん排除される傾向にあります。

同じゲームでも、カードゲームやボードゲームの類は、目の試験でも禁止されることがありません。あまり目を酷使しないオセロや将棋などのボードゲームが置いてあります。

■テレビ

もちろん、テレビも置いてあります。チャンネルもNHK固定ではありませんので、見たいチャンネルを好きなように見て構いません。台数は1台しか置いていないのがほとんどですので、譲り合いの精神を大切にしましょう。

自分で娯楽を持ち込んでもOK

施設にお気に入りの娯楽がなければ、自分で持ち込んでも構いません。携帯音楽プレイヤーでしたら、投薬後の採血の暇な時間を十分につぶせます。腕を使わない娯楽ですので、採血後にはピッタリですね。ただし、音漏れには注意しましょう。

予備被験者について

治験には、実際に投薬を受ける「正規被験者」以外に、投薬を受けない「予備被験者」がいます。予備被験者とは一体何なのでしょうか。

予備被験者は「補欠」

予備被験者は、簡単にいうと「補欠」です。野球でいうところのスタメンのメンバーが「正規被験者」だとするならば、ベンチ入りのメンバーが「予備被験者」といえますね。正規被験者に万が一のことがあった場合、予備被験者が急きょ正規被験者に格上げされて治験に参加することもあるのです。

レギュラーと補欠の違いは

レギュラーと補欠の違いは一体何なのでしょうか。

それはずばり、投与する薬と相性の良さです。例えば血圧を下げる薬を投与する治験の場合、血圧が低い人よりもちょっとくらい血圧が高い人の方が選ばれる可能性は高いです。その中でも基準範囲内にきれいに収まっている人が、よりレギュラーに近くなります。

様々な数値がきれいに収まっている人がレギュラーだとするならば、ある項目が基準範囲ぎりぎりだったりすると補欠になる可能性は高くなります。

いつまで補欠か

では、補欠はどのような時にレギュラーになり、いつまで補欠でいるようなのでしょうか。

事前の健康診断が完了しますと、正規被験者と予備被験者が選出されます。試験の種類にもよりますが、正規被験者が20人くらいだとすると、予備被験者は3人くらいでしょうか。自分が正規か予備か、その時点で教えてくれます。

投薬日の前日に、正規被験者と予備被験者は病院に集められます。試験によっては、正規被験者が全員集合した時点で「補欠」の役割は終了し、補欠料をもらってご帰宅という場合もあります。この際の補欠料は8000円程度であり、ただ足を運ぶだけで8000円ですからうれしいかもしれませんね。

しかし、試験によっては投薬直前まで補欠として待機させられる場合もあります。投薬前日は病院に宿泊をするのですが、その際の食事や規則は正規被験者と全く同じで、投薬前日の検査や採血も全く同じメニューをこなします。そして、正規被験者が全員投薬を完了した時点で、補欠としての役割は完了します。補欠料はこの場合、16000円くらいにはなるでしょうか。

ピンチヒッターの場合もある

正規被験者が来ない、あるいは正規被験者が体調を崩したなどの理由で治験に参加できないとなると、予備被験者がピンチヒッターとして正規被験者となります。補欠だからとあまり気軽な気持ちでいないで、いざという時にはいつでも代打に出るくらいの心持ちでいましょう。

治験中の制限事項

治験中には様々な制限事項がありますが、具体的にどのような制限事項があるのでしょうか。

早起きしなければならない

まず、早起きしなければなりません。早起きといっても3時とか4時とかではなく、6時起床ですので、普段からそれくらいの時間に起きている人にとっては特に問題がないでしょう。しかし、普段お昼頃にしか起きない人にとっては、6時起床は大きな苦痛かもしれません。眠いからといって起きないことも許されません。

一方就寝時間は23時に消灯というのが一般的です。通常の病院が21時消灯なのを考えるとずいぶん遅い気もしますが、治験では採血を21時に行う場合もあり、そこからすぐに消灯ということはさすがにできないため、2時間ほど余裕を持たせてあるのです。

インターネットの制限

現代人にとっては欠かせないインターネットですが、これに関してもいくつか制限があります。

まず、インターネットの入力内容や送信内容ですが、治験に関する事項は一切口外をしてはいけません。電話はもちろん、メールやSNS、ブログなどでつぶやいたり書き込みをしてもいけません。治験の中には新薬にかかわる大事な治験も含まれていおり、一般に流通する前に情報が洩れては困るからです。

インターネットは、医療機関にあるパソコンを利用するか自分のスマートフォンなどを使用します。いずれの場合でも、就寝時間から起床時間までの時間は使用できません。自分のスマートフォンは、就寝前に回収される場合もあります。

目薬の試験などでは目を酷使するものは一切禁止されています。漫画やテレビ、ゲームなどがありますが、もちろんインターネットもその場合は禁止されています。

行動の制限

行動の制限もあります。試験中は基本的に外出は許されていません。とはいっても病棟内に缶詰では精神衛生上もよくないので、最近ではスタッフの監視のもと、敷地内の散歩ならば許可をしている医療機関もあります。

試験中は、激しい運動をしてはいけません。試験中はかなり暇な時間がありますので、体力づくりのために階段を駆け上がったり腕立て伏せをしている人もたまにいますが、それはいけません。激しい運動は血液中の乳酸値を上昇させますし、腕立て伏せなどをして注射の跡が開いてしまう可能性もあります。

また、試験内容が洩れるのを避けるため、外来患者も受け入れている病院では治験病棟は完全に分離されており、被験者は外来患者との接触ができないようになっています。

治験の採血について

ほぼすべての治験で行われているのが、「採血」です。必ず通らなければならない関門であるのと同時に、最大の難関である採血、具体的にどのように行われるのでしょうか。

採血の時間

まず採血の方法ですが、かつてはそれこそ「採血地獄」でした。通常の日でも1日に最低3回はある採血ですが、これが投薬の日になるとゆうに10回以上はあります。

しかも、投薬をするのがおおむね9時ごろなのですが、そこから13時か14時ごろの昼食の時間まで、30分間隔で採血があります。この時間が、治験の中で最もつらい時間です。

採血の注射針

10回以上も採血の注射針を刺すだけでもすでに地獄ですが、注射を繰り返すうちにさす場所がなくなってきてしまう可能性もあります。

そんなデメリットを解消すべく、最近では採血の日に限って埋め込み式の注射針を使用するところも増えてきています。これは、最初の1回だけ針を刺しておき、その針を抜かずに残しておきます。2回目以降はその針に試験管のようなものを取り付けるだけで採血ができるので、何回も針を刺すあの苦痛からは解放されます。

看護師さんに大きく左右される

かつて、1日10回以上も注射針を刺していた時代には、看護師さんの腕がものを言っていました。上手な看護師さんですと、大して苦痛も感じることなく採血が終了するのですが、あまり上手でない看護師さんですとさす時に激痛が走ります。いつもは若い看護師さんがいいと思っている人も、このときばかりは「ベテランの看護師さんがいい」と思うことでしょう。

前述したように、現在では埋め込み式の注射針も増えてきているので、かつてよりも看護師さんの腕に採血が大きく左右されることもなくなりましたが。

血管が出る人、出ない人

採血の際、血管がよく見える人とそうでない人がいます。血管がよく見える人ならば看護師さんがすぐに注射できるのですが、血管が見えないとゴムをきつく締めて血管を探さなければなりませんので、普通の人よりも時間がかかってしまいます。ただし血管が出る出ないは、個人ではどうすることもできません。

血が出る人、出ない人

血の気が多い人とそうでない人でも、採血の際に差が出ます。前者でしたら血がすぐに試験管の中に入っていくので問題がありませんが、後者ですとなかなか血が入っていきません。その際には、看護師さんが血管を「しごく」ように絞り出そうとしてくれます。特に、採血日は血が出なくなる傾向があります。

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